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産学官民交流事業

2020.12.23 第434回東三河産学官交流サロン

1.日 時

2020年12月23日(水)18:00~20:30

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 5階 ザ・グレイス

3.講 師

豊橋技術科学大学 前学長/東京大学 名誉教授 大西  隆 氏

 ◎テーマ

『コロナの一年と、これから』

4.参加者

88名(※オンライン参加者 15名)

講演要旨

1.感染症との関わり
新型コロナウイルスとの最初の関わりは、豊橋技術科学大学学長であった2020年1月末、中国・上海へのインターンシップ学生2名を日本に帰国させたことから始まり、この一年、コロナと共に過ごした。私は、2012年8月に発足した「新型インフルエンザ等対策有識者会議」における「社会機能に関する分科会」の委員を務めており、人人感染におけるワクチンの特定接種の対象等を議論する役目を担っている。

2.日本学術会議問題
私は、2011年から2017年までの6年間、日本学術会議の会長を務めた。日本学術会議は、1879年に「東京学士会院」(会長:福澤諭吉)として創立され、1949年に国の機関として「日本学術会議」(会長:亀山直人、会員210名)が創立。1983年に「日本学術会議法改正(会員選挙廃止、推薦・首相の任命制)」が成立し、2005年に「日本学術会議法改正(コ・オプテーション、3部制、6年任期、70歳定年制、幹事会導入、連携会員制度など)」が施行された。
今回の任命拒否は法律違反である。法改正時、中曽根首相が「学会やらあるいは学術団体から推薦に基づいて行われるので、政府が行うのは形式的任命にすぎません。・・・政府の行為は形式的行為であるとお考えくだされば、学問の自由独立というものはあくまで保障されるものと考えております」(1983年5月12日)と答弁している。また、日学法第17条には「日本学術会議は・・・優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、・・・内閣総理大臣に推薦する」、第7条2項には「会員は、第17条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」と明記されている。今回の6名は優れた研究又は業績がないのか?特別職公務員として適格ではないのか?総合的・俯瞰的、推薦候補者一覧表(氏名、年齢、性別、職名、専門分野)の記述からどのようにして総合性・俯瞰性の欠如を判断したのか?現在、会員の地域分布や男女構成も適正な数値に改善されている。これらを踏まえて、任命しない理由は何かを説明すべきである。

3.変貌する国のかたち
日本は、人口減少(合計特殊出席率の低下)・高齢化(高齢者単身・単身世帯が主流)が進行し、2050年にはピークの80%、約1億人になる。GDPは、他国(中国・インド)に比べて低水準の伸び(横ばいから縮小)、生産性(労働生産性が低い)も上がらない。外国人労働力は増加傾向で、特に東南アジア諸国からの移入が増加。留学生は漸増で、世界の動向から見れば、まだ小規模である。訪日外国人(観光客)の急速な増加傾向が見られる。
労働力、留学生、観光客を含めて、更なる国際化が進展する。相互理解と外国人にとっても住みやすい社会形成に向けた共存政策が必要である。但し、コロナで国際・国内の人の交流は大きな制約を受けており、回復には時間がかかる。

4.東三河の新たな展開
東三河地域は全国的にみると少子高齢化の影響はそれほど及んでいない。新型コロナウイルスにより地域移住への関心が高まっている。東京23区の20代の35.4%が地方移住に関心を示している。また、東京都の直近のデータでは、転出が転入を上回っている。人口減少社会への適応策としては、コンパクトシティ(郊外から都市部へ)とネットワークが重要であり、三遠南信・山の州・東海道といった広域連携も重要である。
スーパー・メガリージョン構想検討会の最終まとめでは、リニア中央新幹線の開通は、〇個性ある三大都市圏の一体化による巨大経済圏の創造、〇中間駅周辺地域から始まる新たな地方創生、〇スーパー・メガリージョンの効果の広域的拡大の3つの方向性を持つべきであり、時間と場所からの解放による新たな価値創造を図り、人口減少に打ち勝つこれからの時代に相応しい新たな成長の実現を目指すとしている。東三河地域は製造業が強いが、情報通信産業が弱い。インターネット・情報化社会の産業再編をいかに実現するかは大きな課題である。
東三河には、「設楽ダム」、「奥三河メディカルバレー」、「スローフードバレー」、「サーフィン・サイクリングのまち」などの重要なテーマがある。これらをうまく活かしながら、情報化・国際化を推進していかれることを期待する。