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産学官民交流事業

2021.6.7 令和3年度定時総会 記念講演会

1.開催日時

2021年6月7日(月) 15時50分~17時00分

2.開催場所

ホテルアークリッシュ豊橋 5F ザ・グレイス

3.講師

前愛知県副知事 森岡 仙太 氏

4.演題

『今、何をすべきか』

5.出席者

90名(オンライン参加 35名)

講演要旨

 北海道旭川生まれ。大学卒業後、仕事を求めて愛知県のトヨタ自動車に入社。トヨタ自動車では、生産管理を中心にキャリアを積み、トヨタ生産方式に基づく改善・指導、住宅事業強化、トヨタホームの経営改善に取り組んだ。その後、愛知県副知事として6年間務め、2020年3月に退任。
★我々を取り巻く環境の変化
 平和な世の中が、新型コロナウィルスの発生で一変してした。世の中の変化はすさまじいほど速い。コロナの話しは横に置いて、ビジネスに影響する根本的な環境変化(課題)を3つお話しする。
①少子高齢化
 日本のGDPは20年ほど停滞したままで、所得が上がっていない。個人個人が豊かな生活を望んでいる。みんながもっと働くということでこれを乗り切っていく必要がある。
②地球温暖化
 太陽光・風力などの再生可能エネルギーを使っていく必要があるが、国内では様々な規制があり、活火山を活かした地熱発電が出来ない。化石燃料の使用を抑えるには、規制緩和を行っていく必要がある。
③イノベーションの競争激化
 中国は経済を支えるため、徹底的にやろうとしている。日本と中国はいろんな意味で競争していかないといけない。シンガポールの役人と話しをした際、「日本の若者は現状に満足している。日本は住みやすく、まあまあの生活ができる。満足している人間にはイノベーションは起こせない」と言われた。イノベーションが大事だと日本人は誰もが言うが、本当にやっていくエネルギーがあるのか?イノベーションなしでは、豊かな生活を獲得していくことはできない。
★先の見えない時代に何をすべきか -実践をとおして人材を育てよう-
 我々は先の見えない時代に生きていると言える。では、今、何をすべきか?企業の力の最大のものは人。人を育てることを今しっかりやらなければならない。どういう人材を育てるか?百科事典のような人はこれからの時代は尊重されない。やはり、現実の問題を解決していける人材が求められている。一人では解決できない。いろんな人とやっていく必要がある。説明能力、問題設定能力が必要であり、「実行力のある人」が極めて大事である。
どうやって育てるか?私は、「問題解決をさせる」、「課題を与える」ことであると考える。「実践」で人材を育てる。知識を得ることも大事だが、実践を通じて問題解決の力をつける。実践しているところを見ないとその人の能力があるかどうか分からない。日本の場合、実践したがらない人が増えている。社会に出て実践することが大事であり、皆さんの会社でも是非やってもらいたい。販路拡大、新商品開発、新分野開拓、社長と議論が出来る人材育成に繋がる。
★生産性向上を実現するには
 生産性向上を実現し、成果を上げてもらう。これでその人がしっかりした人材か、世の中に通じる人材であるかが分かる。生産性向上には二通りのやり方がある。
①プロダクトイノベーション(製品そのものを変える)
②プロセスイノベーション(生産工程を変える)
生産性向上は、職場の置かれた状況によって異なる。職場の仕事量が多く、残業しているような状況であれば、時間当たりの出来高を上げる。仕事量が変わらない、もしくは減っているような状況であれば、より少ない人数で仕事をする必要がある。この2つのやり方で生産性向上を図っていくことになる。
生産性向上の条件には5つある。
①この仕事をするのに何人必要か?
 工場運営は「基準時間」(一つの部品を作るのに必要な時間)を設定することで成り立つが、生産計画は日々変化する。変化に追随できるかが極めて重要。労働時間を大切に扱っていかないと生産性向上を維持することは出来ない。
②負荷変動に人をうまく対応させるための準備が大事
 仕事量が増加すれば、人数が増える。その為に残業での生産対応、応受援のシステムが必要。逆に、仕事量が減ったときは、より少ない人数で仕事をすることになり、減らされた人の仕事をみつける必要がある。一人一人の仕事の範囲を広げることになる。
③労使協調・労使相互信頼
 生産性向上の成果はきちっと働く人に還元する必要がある。企業へのコミットメント、帰属意識を高めることができる。
④個人個人の問題解決しようとする気迫、気力
 仕事には必ず障害がある。必ず何かを変えないといけない。気力、気概が重要となる。「とことん頑張る」というのは企業の風土。先輩のやっていること、背中を見て培われる。
⑤生産性向上活動を実際に実践する
 一人でなく、仲間とでも良い。生産性向上に取り組み、会社の業績をあげてもらうことをやって、はじめてその人の能力、やる気が分かってくる。企業は儲けることが目標だが、人材育成で会社のレベルが上がってくる。これは企業の責任である。
★仕事を確保し豊かな地域コミュニティーを維持しよう
 「地域を豊かにする」のは人口が増えるのが一つの測りであると思う。仕事を確保し、仕事を増やし、豊かな地域社会をつくることが非常に大事。働く人に仕事を与え続ける、これは経営者の責任であり使命である。それと同時に「人材育成」も経営者の責任。人材育成が出来ない会社は辞めた方が良い。自己成長が実現できると思える会社でないと将来がない。是非、人を育てるということについて責任を取ってもらいたい。働く人は改善で競争力をつける。そしてその企業の競争力を向上させ、会社に貢献する。
 残業を減らす、人を減らす。より少ない人で、より少ない時間で仕事をこなす。ここから創りだした「余力」が肝心。外注していたものを内政に取り込む。付加価値を上げる。設備改善し、在庫を減らす。経費を削減する。そうすることで、企業の組織体質が強くなり、競争力がつき、仕事が増え、規模拡大し、賃金が上がる。そうすれば、愛知県に人がたくさん集まる。人が増えれば、土地の値段や賃金が上がり、税収が増える。サービス業の人も潤う。これが理想の地域社会の豊かさの追及。とにもかくにも生産性向上。口先で言っている者には実践させて、業績に貢献させる。様々なことで社長と一緒になって考える人材が育つ。

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