1. HOME
  2. ブログ
  3. 東三河懇話会の活動
  4. その他の事業
  5. 東三河グローアップミーティング
  6. 2021.07.15 第3回東三河グローアップミーティング

その他の事業

2021.07.15 第3回東三河グローアップミーティング

1.開催日時

令和3年7月15日(木)18時00分~20時00分

2.開催場所

ホテルアークリッシュ豊橋 5階「ザ・グレイス」

3.講師

株式会社PR TIMES 代表取締役社長 山口 拓己 氏

  テーマ

「武器としてのPR思考と経営」

4.参加者

43名(オンライン参加 12名含む)

講演要旨

①株式会社PR TIMESって?
2007年に業務開始。事業開始以来14期連続で売上高25%超の成長と営業黒字を達成。売上高は前期37億円、今期47億円を目指す。利益は前期13億円、今期17億を目指している。25%超の成長が10年続くと10倍。20年続くと100倍、30年続くと1000倍になる。これをイメージしながら経営している。
PR TIMESのお客様は一般企業、団体、行政など累計で5.4万社。プレスリリースは、自分たちの行動や成果が出たことを、新聞、雑誌、WEBニュースなどに取り上げてもらうための記者やライターの人に送る素材資料だった。私たちRP TIMESへのプレスリリースの投稿は1回あたり3万円、頻度が多いお客様には定額で月額8万円をいただいている。一方でメディア、一般の生活者は無料で閲覧可能となっている。企業数の増加、プレスリリース発信数の増加が収益増に繋がる。なぜPR TIMESを使うか?それは人が多く集まるからであり、企業の人もまた使う。この好循環がある。サイト閲覧数は月間5,221万PVを記録。厳選した記事を書くメディアと遜色ないレベルまで見ていただけるようになったのは一つの価値。PR TIMESのプレスリリースを原則原文のまま転載するパートナーメディアは200媒体に増加している。
②武器としてのPR
初めてのプレスリリースは、ペンシルベニア鉄道が1906年にアトランティックシティで起こした列車事故。事故隠蔽に対して疑心暗鬼の声があがるなか、事実をありのままに公表したことで賞賛された。先週金曜日、当社の管理システムが不正アクセスを受け、13社の発表前のデータ250点あまりが流出したことを開示した。隠して良いことは長期的にはない。自浄作用を促し、ありのままを公表するのがPRの根本的な姿勢だと思っている。
私は、良好的な関係を構築するための行動、対話というのがPRだと考えている。ポジティブな出来事では、自画自賛の状態に陥ってしまい、自分はPRがうまいと勘違いすることがあるのが厄介である。逆に、伝えるのを諦めてしまう人、受け手に委ねる人、自分はPRが下手だと口にする多くの人は、何もやっていないだけだったりする。では何から始めれば良いのか?それは、リードターゲットとなりうる「n=1」を決めること。たった一人の心を強く揺さぶるのなら、大切な存在という大きな山が動くような人を見極めること。これが大切。私たちの会社のミッションは「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」。大切なのは行動者にあたる人。プレスリリースの元になった、何か行動した人、成果を出した人が「n=1」である。
4月8日は統計開始以来、はじめて交通死亡事故ゼロの日を達成した日。これを取り上げたのは毎日新聞だけ。悲惨な交通事故は繰り返し報道されるのに、このことは全く報道されない。事故や事件の公表が再発防止につながるというのなら、それは恐怖訴求である。しかし、ポジティブな訴求によって再発防止につながるような「n=1」の設定があっても良いのではないか?
様々な報道で、記者と生活者で認識にギャップがあって、生活者が報道に不満を持っているとしたら、PR活動による情報発信が生活者のニーズを満たせていないのかもしれない。良いことであってもそうでなくても、相手が知りたいことを伝える。それがPR。既に興味関心がある人に情報を届けるのではなく、社会の声にならない声に耳を傾け、生活者が認識していないニーズや、実は諦めていたニーズを満たすような情報を伝えることが大切である。
弊社は10周年でお米を使った「世界最小のプレスリリース」を行った。日本のモノづくり企業に期待するなどポジティブな感情を抱くビジネスパーソンを「n=1」に決め、米(一粒)にプレスリリースを印字した。オフィスに展示するとともに、お客様にも配布した。お客様がSNSに上げてくださり、メディアにも取り上げられる結果となった。
メディアに取り上げていただくためにはいくつかフックがある。企業の一人一人に中長期に考えてもらいたいのは「社会性・公益性」である。多様化する中長期な社会課題の解決こそ中核にあると思っている。「社会性・公共性」と言っても、誰もが賛成するものではない。「n=1」を誰に設定するか?自分が素晴らしいと思っているものを見られない人、感じられない人の差分を埋める行動がPRでは大切。伝えるだけでどうにかなる。誰かの何を解決するために、どう行動するかであり、行動の数と伝える数が重要である。課題解決のために一生懸命行動し、伝える数を増やせば、必ず結果がついてくる。PRは、「行動するかしないか」である。
③凡人としての経営哲学
安定成長しているから手堅く経営しているのだろうと思う人は多いかもしれないが、何度も失敗している。実力がなければ時に厳しいリスクをとって機会を追及し、失敗してもめげず、また挑戦する。そしていくつかに一つの小さな成功の積み重ねが、遠くから見ると安定成長に見えるだけである。安定は結果であり、安定を志向したら逆に遠のく。良い経営とは、何か解があるものではなく、自ら問い続け、実践し続けるものである。これは良い人生とは何かにも繋がる。良い経営を実現する経営者には、執念のような情熱がある。Cyber AgentやYAHOOなどの参入企業に勝てたのも、事業に対する執念のような情熱があったからである。
皆様には、次のアクション、更に次のアクションが毎回過去最高の傑作となるよう、その発信をPRとして誰かのために行動し、発信してもらいたい。

過去の掲載情報