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その他の事業

2021.10.14 第4回東三河グローアップミーティング

1.開催日時

2021年10月14日(木)18時00分~20時00分

2.開催場所

ホテルアークリッシュ豊橋 5階「ザ・グレイス」

3.講師

豊橋市 文化・スポーツ部「まちなか図書館」館長 種田 澪 氏

  テーマ

「地方移住とこれからの働き方」

4.参加者

39名(オンライン参加 10名含む)

講演要旨

私は、1991年東京生まれの30歳。スポーツ、音楽、読書好きで、小中高大とテニスに没頭。慶應義塾大学環境情報学部では「人間工学」を専攻。大学卒業後はNHKに入社し、主にドキュメンタリー番組の制作を担当。仙台に5年、その後東京に2年勤務した。現在2児の母で、昨年、家族で豊橋への移住を決め、「豊橋市まちなか図書館・館長」の公募に挑戦し、採用が実現。今年4月から同図書館に勤務している。
豊橋に移住した理由は、夫の兄が豊橋で起業していて、「一緒に働かないか?」とのお誘いがあったことが一つのきっかけとなった。子供が出来てからずっと地方移住を考えていたが、コロナ禍のなか、子供や家族と過ごす時間の大切さを実感し、移住を決断した。
移住後半年が経過したが、仕事の部分で非常にやりがいを感じている。また子供と過ごす時間が増えた。これは大きな変化である。現在、築130年の古民家を借りて住んでおり、近所付き合いも新鮮で、楽しく過ごしている。また、家の近くに海や川などの自然があるのは大きな魅力で、新しい出会いもたくさんある。
「まちなか図書館」は、11月27日(土)に駅前大通の「emCAMPUS EAST 2・3階」に豊橋市の新しい分館としてオープンする。コンセプトは、「世界を広げ、まちづくりに繋がる“知と交流の創造拠点”」である。本を読む・借りるだけでなく、訪れた人同士が交流し、そこから新しい情報や活動が広がってくことを目指している。2階には「中央ステップ」(60人が座れる階段スペース)、「パフォーマンススペース」(小さな講演、読書会、PLATと連携したイベント)、「キッズスペース」(遊び、朗読、音楽、その他)、3階には「ワークショップスペース」(実践で学んで体験できる)、「アートスペース」(展示ケース、ピクチャーレール)、「リラクゼーションゾーン」(静かに読書するスペース)がある。「まちなか図書館」は、分類番号ではなく、“テーマ配架”を採用している。独自の分類テーマや特集本棚など、是非楽しんでいただきたい。
私自身の図書館の概念を変えた2つの図書館がある。それは、ボランティアの英会話スクールが行われていた「Seattle Public Library」とイベントスペースやシアターなどがある「せんだいメディアテーク」である。「まちなか図書館」が目指したいのは“地域のハブとなる場所”である。その為には、地域のことを知る必要がある。また、図書館は“人の交差点”となる場所であると感じている。いろんな方が訪れ、偶然の出会いがある。ここにはアプローチする可能性があると思っている。個人利用で完結する図書館から、交流を促進する図書館でまちづくりを担っていきたい。オープニングには、様々なイベントを行う予定なので、是非、お越しいただきたい。
私は図書館勤務は初めてで、前職はNHKで番組ディレクターをしていた。震災3年後の仙台勤務で被災地の現場を取材することが多く、そのままドキュメンタリーの道に進んだ。印象深い仕事を2つ紹介する。1つは『ドキュメント72Hours』。震災に向き合う番組として企画し、3日間、庶民の声を拾う場所として「24時間営業の大衆食堂」でロケを行った。もう1つは、『のぞき見ドキュメント100カメ』。1つの場所に100台のカメラを設置して、その中の人間関係をのぞき込むという番組。この2つの仕事を通して、「誰に何を届けたいのか。興味のない人に振り向いてもらうには。」「共感できるかどうかという視点。作り手のエゴになっていないか。」「情報をどう編集するか。」「その時、みんなが求めているものは何かを感じ取る。」「0から生み出す苦しさを楽しむ。」「万人受けは狙わない。自分自身が心から推せるものを。」「公共としての考え方。」などを学ぶことが出来た。これらは、全ての仕事に通じるものであり、転職したことで気付けた。また、逆に自分の足りなかった部分も見えてきて、すごく良い経験をさせていただいている。
豊橋で働くようになって感じたことは、「会いたい人とすぐ繋がれる」「若者にもチャレンジできる土壌がある」「ミニマムなコミュニティ、ニッチな世界を探求できる→それが武器になる」「本当に自分がやりたいことに、時間もお金も使える」ということである。
これからやりたいことは、「挑戦者が繋がれる場所、試しにチャレンジできる場所に図書館がなれたら!」「若い世代が本物に触れる場所の一つに。」「地域の知や情報をアーカイブする場所に。」「新陳代謝を促す、他の地域とゆるやかに繋がる場所に。」と考えている。
価値観は人それぞれだが、豊橋は東京が逆立ちしても叶わない魅力がたくさんある街だと思っている。微力ながら豊橋の街、東三河を盛り上げていけるような存在になれればと思っている。

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