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その他の事業

2022.10.25 第8回東三河グローアップミーティング

1.開催日時

2022年10月25日(火)18時00分~20時00分

2.開催場所

emCAMPUS FOOD 1階レストラン

3.講 師

株式会社道の駅とよはし副駅長/合同会社バンザイ 代表 吉開 仁紀 氏

  テーマ

「メソッド伝授!商品の魅力を伝える言葉とシカケ」

4.参加者

21名(オンライン参加 4名含む)

講演要旨

 本日の講演のタイトルは「メソッド伝授!商品の魅力を伝える言葉とシカケ」ということで、営業職や商品企画の方はもちろん、そうでない方にも参考になる話ができればと思う。

 私は豊橋市役所に11年間勤務していた。しかし市役所の本庁舎で勤務したのは2年間のみで、残りの9年間はいろいろな場所で多様な経験をした。一番のターニングポイントは経済産業省に出向した時で、日本全国の地方創生の事例を見たり、現地の方と一緒にビジネスの枠組みを作ったりする中で、地域と一緒に活動したいという想いが強くなった。こうした中、「道の駅とよはし」の立上げから関わることとなった。開業当初年間135万人の来場者であったが、今年は240万人ぐらいになりそうである。最近始めたネクストクルーザーというアクティビティは集客力が高く、予約も先まで埋まっており、東京や大阪の人などの申し込みも多い。また、農産物のプロデュースも行っている。例えば「うずらいも」。豊橋は鶉の生産量のシェアが全国の50%である。鶉の卵を水煮などに加工する際、殻を中心に多くの残渣が発生し、一部は肥料に使用されるものの大部分が廃棄されていた。畑の土壌を改良する際に使用する石灰の代わりに、この残渣を使用した土壌で育てたさつまいもが「うずらいも」である。浜松市には、特産ウナギの骨や頭部を肥料にしたブランド芋「うなぎいも」がある。その生産者組合と手を組み、豊橋に「うずらいも」を広めようと、生産者と協力して本格栽培に乗り出している。全国でもいろいろなブランド芋がプロジェクト化され、こうした活動が拡がっている。また、「EXILE USA」さんの協力を得て「オドル野菜プロジェクト」も行った。これは小中学生らが音楽に合わせて踊りながらトウモロコシや枝豆などの作物を栽培や収穫するイベントであり、農業が楽しくできないかを考えて企画をした。

 現在起業したことにもつながっていくが、これまでぼんやり何か課題があるなと感じていたことが、「道の駅とよはし」で数年間経験を重ねて明確になってきた。「メソッド伝授!商品の魅力を伝える言葉とシカケ」の話を通して、皆さんの会社の課題、地域の課題などがクリアできれば良いと考えている。豊橋市民の方に豊橋市の良い所を聞くと謙遜なのか判らないが、「何もないところですが、住みやすい」といった回答が大多数である。本当はいろいろすごい部分があるのに関わらずである。東三河の魅力をもっと広めていけると良いと考え、会社を作った。

 先程ぼんやりした課題と話したが、モヤモヤという言葉にどんなイメージがあるか。モヤモヤというのは、なんかぼやっとするとかよく判らないとか輪郭が見えないような感じだと思うが、これに対するアプローチが「そもそも」だと考えている。現代と比べ昭和の高度成長期は情報ソースと量が少なく、プロダクト側からの一方通行の要素が強かった。そのため消費者も新商品のCMを見て、欲しいと思うというように、単純でモヤモヤが発生しにくい状況であった。時代の進展とともに情報ソース、量が爆発的に増加し、モヤモヤが増え、顧客のマインドが動きづらくなっていると思う。こうした中では、どうしたらものが売れるのか、どのような言葉を使って伝えたらよいのか、使うお客様のことをとことん考え、ライバルや自身のことも考えたアプローチが重要である。

 有名な事例として、P&G社のファブリーズがある。この商品は世界中でいろいろな売り方をしている。日本において当初は消臭剤の位置づけで販売しようとしていたが、ライバル商品も多い市場で、販売が低迷していた。その時同社は、徹底的に消費者のことを考え、ヒアリングや観察を行った。こうした活動で、日本人は衛生意識が高いと言われるが、ソファーなど洗濯機に入らない大きなものが洗えない問題に気が付いた。その着眼点からライバル製品と軸を変え、生まれたフレーズが「ファブリーズで洗おう」。結果爆発的なヒット商品となった。自分たちの戦う場所をどうするか、また自分たちの価値をどう置くかを深く追及することにより、お客様への伝え方も変わり成功につながったのである。

 戦略という言葉は、戦いを訳すという意味だと思っている。戦略としては、競合に真っ向勝負を挑むのではなく、自社や商品のポジショニングをずらすことにより、戦わずして勝つといった戦略が重要だと思う。そのために繰り返しになるが、考えるだけでなく、現場に行ってお客様の消費行動を見る、お客様の声を聞くことが大事である。お客様にとって自分たちはそもそも何なのか、ライバルはどこにいるのか、世の中の流れはどうなのかといったことを考え、自分の価値をしっかり見定め、伝えていくことが重要となる。

※講演の途中で過去の商品販売時のポジショニング、消費者へ伝えるキャッチコピーに関するクイズなど、グループで考えて回答を行った。また終了後、「『穂の国姫牛』豊橋の旨い肩ロースしゃぶしゃぶ用(770g前後)」の事例について、新しい価値を見つけ何らかの言葉にしてみるという課題でグループ討議を行い、各グループ代表者から結果が発表された。

 

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