1. HOME
  2. ブログ
  3. 東三河懇話会の活動
  4. 産学官民交流事業
  5. 2020.12.04 第208回東三河午さん交流会

産学官民交流事業

2020.12.04 第208回東三河午さん交流会

1.日 時

2020年12月4日(金)11:30~13:00

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 4階 ザ・テラスルーム

3.講 師

蒲郡市生命の海科学館 館長 山中 敦子 氏

 ◎テーマ

『科学の目で再発見!東三河のたからもの』

4.参加者

32名

講演要旨

本日は、「石」のお話をする。2011年6月、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「いとかわ」で採取した微粒子が入ったカプセルがオーストラリアの砂漠に到着したが、その微粒子(25ミクロン)から8月の誕生石でもあるペリドットが見つかった。現在、「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」の探査を行っており、タッチダウンして採取した微粒子が入ったカプセルが、12月5日深夜26時に地球に投下される。ユーチューブでも配信されるので、興味のある方は是非ご覧いただきたい。
蒲郡市生命の海科学館には「マーチソン隕石」が展示されているが、この中には15~20CCの水が閉じ込められており、宇宙と生命のつながりを解明するための非常に重要な手がかりとなるものである。地球は海が70%を占めており「水の惑星」と言われるが、水は表面のみであり、主成分は「石」である。生命の海科学館は、いわゆる「生命」のあるものの展示はなく、「石」が展示されている。「石」を通して「地球のしくみと命の海」を知って欲しい。
私は「身近にある一番古いものは何ですか?」という問いかけをするが、それは「石」である。蒲郡の石は、7,000~9,000年前のものである。辞書によると、「石」は、「岩」より小さく「砂」より大きいもの、鉱物質の固まりと解説されており、おにぎりがご飯の粒でできているのと同じである。大陸の石は「花崗岩」、海底の石は「玄武岩」であり、色や模様によりその石が出来た時の状況を知ることができる。
東三河の石は、中央構造線により北西側と南東側で大きく異なる。北西側は、花崗岩と片麻岩が多く、その間の巨晶花崗岩にはガーネット(柘榴石)やトルマリン(電気石)が含まれている。川で宝石が取れるという恵まれた地域である。東南部分は2億年前の石であり、堆積岩や変成岩が多くなっている。これらの堆積物はどこから来たのか?温泉や大地など、地質の成り立ちのベースになっているものは大事である。