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産学官民交流事業

2021.08.06 第214回東三河午さん交流会

1.日 時

2021年8月6日(金)11:30~12:30

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 5階 ザ・グレイス

3.講 師

蒲郡市 産業振興部 観光商工課 シティセールス推進室 来本 晃彩 氏

 ◎テーマ

「映画『ゾッキ』を通じた蒲郡のシティセールスについて」

4.参加者

32名

講演要旨

 令和2年1月、蒲郡市役所に「シティセールス推進室」が設置された。蒲郡市出身の「大橋裕之」先生の原作漫画を実写化した映画『ゾッキ』のロケが蒲郡市内で行われることになった。蒲郡の鈴木市長は、かつて蒲郡商工会議所青年部でシティセールスのプロジェクトリーダーを長年務められたこともあり、「官民一体ONEチーム」でのシティセールスの取り組みがここから始まった。
 令和2年2月に撮影が始まり、行政、企業、民間で撮影のバックアップを行うことになった。2019年に支援組織である「映画『ゾッキ』蒲郡プロジェクト委員会」が設立された。委員会は、市長が名誉会長、会議所会頭が会長、副市長、観光協会長、蒲郡信用金庫理事長が副会長務め、実行委員会として総務部会、食料部会、宿泊部会、制作支援部会、産業開発部会、プロモーション部会の6つの部会を立ち上げ、スタッフは総勢200名にのぼった。
 これまでの蒲郡シティセールスプロジェクトは、平成24年の地域発信型映画『ガマゴリ・ネバーアイランド』から始まり、「ロケとグルメ」の2本柱で取り組むこととなった。グルメは「ガマゴリうどん」が全国ご当地うどんサミットなどの全国大会で3冠を達成するなどの成果をあげたが、ロケは蒲郡ロケーションサービス「ガマロケ!」でPRを行うも、なかなか日の目を見なかった。しかし、プロジェクトリーダーの鈴木市長の「いつか来るから!」の言葉どおり『ゾッキ』が来た。いよいよ『ゾッキ』を通じた蒲郡のPRが始まることとなった。
 撮影期間は約3週間。製作会社との連携を密にするとともに、実行委員会各部会がその心意気と情熱を持って取り組んだ。総務部会は地元企業への協賛募集・全体統括、食料部会はロケ弁・炊き出し・メッセージカード(スタッフのお弁当に添える)の手配、制作支援部会は雑踏警備・車両運転(ロケ隊の支援)、産業開発部会は蒲郡オリジナルゾッキグッズ(マスクなど)の制作、プロモーション部会はSNSアカウント『裏ゾッキ』でTwitter、Facebook、Instagramを活用したPRを担当した。
 『ゾッキ』の成果物としては、ゾッキ原作者の大橋裕之先生の蒲郡観光大使任命、街全体のゾッキタウン化、蒲郡オリジナルイラストの「LINEスタンプ」販売、『ゾッキ』ロケ地マップ制作、コミュニケーションを生んだ「グルメ戦略」(市内57店舗協力)などが挙げられる。
 3月20日を「ゾッキの日」にしようと頑張ってきたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言により、監督たちが蒲郡に来られなくなった。蒲郡には映画館がないため、市民会館と蒲郡信用金庫本店で先行上映会を行った。蒲郡信用金庫では2か月間「常時上映」を行い、実行委員会メンバーが交代で運営対応を行った。メディア露出数は「ゾッキ」が5,000回、「裏ゾッキ」が276回を数え、広告換算効果は35,000千円(テレビ放映25,000万円、新聞10,000万円)にのぼり、蒲郡の認知度向上に寄与した。『裏ゾッキ』は、映画づくりの舞台裏を撮影したドキュメンタリー映画であり、蒲郡の良いところがふんだんに映し出されている蒲郡にとっての宝物である。
 これまでの蒲郡の映画・ドラマの誘致実績は、地域発信型映画『ガマゴリ・ネバーアイランド』(H24.2)、映画『なけもしないくせに』(H27.6)、ドラマ『ハゲタカ』(H30.5)、映画『ゾッキ』、「裏ゾッキ」(R2.2)、映画『空白』(R2.3)、ドラマ『最高のオバハン』(R2.12)、TikTok映画『幸ト音』(R3.4)、映画『スポットライトを当ててくれ!』(R3.7)などがある。
 今後の蒲郡のシティセールスは、しっかりした方向性を定めるために「蒲郡市シティセールス基本方針」を策定し、官民一体ONEチームとなってシティセールスの取り組みを進めていく。