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産学官民交流事業

2022.06.03 第222回東三河午さん交流会

1.日 時

2022年6月3日(金)11:30~13:00

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 4階 ザ・テラスルーム

3.講 師

書道家/夏目書道教室主宰 夏目 珠翠 氏

  テーマ

『ことばで心を豊かに ~書道 ✕ SNSで自分らしく輝く人を増やしたい~』

4.参加者

27名

講演要旨

 「ことばで心を豊かに~書道×SNSで自分らしく輝く人を増やしたい~」をテーマに、幼少期の経験からSNSで皆さんに受け入れられるまで、自分がしてきたことを素直にお話しさせていただく。
 現在、小説表紙作品、題字制作、企業ロゴ・商品ラベルの制作、書道・アート作品制作販売、企業出張講師、講演、ニュージーランドマオリ族の小学校にて書道を伝える、東京・愛知にて個展開催、童話制作等、幅広く活動している。
 新刊小説『渦巻いて』(上下巻、著 岩瀬崇典)の題字と背景作品を制作した。また、自然の素材を多用したアートや、日本初の「藍染め書」を作り、心に光のともる作品を目指して制作している。マオリ族の村での文化交流では、現地の人に漢字を書いていただき、ことばで繋がることに感動した。SNS(インスタグラム、フォロワー2.5万人)での活動では、前向きなことばの力で人生を好転させてきた経験をもとに、学びやアート、ことばを発信している。2021年5月の初個展では、販売している作品のうち半分以上が売約済みとなり、非常に嬉しかった。個展では、書道パフォーマンス、来場者からのリクエストやインスピレーションで色紙を書くパフォーマンスなども行った。2022年5月、豊川市で個展を開催。海外や九州からの方を含め、たくさんの方方に来場していただいた。また、オンライン・バーチャル展示会もイベントとして開催している。独立して5年。奇跡的なめぐり合わせや多くの方々に支えられて活動している。見る方の心に届くもの」を目指し、金墨汁などを使用するなど色や形にとらわれない、表現したいものに合った表現方法で制作している。
 幼少期は「内向的」で大変苦労した。「書くこと」や「物語」は大好きであった。保育園時代、人と上手に話せなかった経験から、「どうしてそんなに自信がないの」「このままでは生きていけない」と母親が心配していた。人にやさしくしたくても、勇気がなければできない。「愛は行動」であり、行動しなければ感じていただけない。私が私を好きにならなくては、何も出来ないことが分かった。恩師がいつも言ってくれた言葉は、「あなたは尊い素晴らしい子。なんでもできる。あなたがみんなを助ける。世界を幸せにするのですよ」と言って、私を信じてくれていた。日本の偉人、歴史、日本のことを教わり、社会や人を幸せにするために生きる人々を尊敬した。また、幼稚園の園長先生の言葉は、「心がきれいだから、きれいな言葉を話すのではない。きれいな言葉を話すから、心がきれいになる。言葉が先です。」と言っていただいた。
 「私はできる」、「わたしは素晴らしい」、「ありがとう」、「私は私が大好き」。やることを紙に書き出して継続して取り組み、小学校高学年の頃には、人と話すことに抵抗が少なくなり、友達もたくさんできた。中学生の時、目の前で自動車事故があった。危ないところを事故に巻き込まれなかったことに対して「よかった!」と言ったら、友人から「すごくポジティブだね」「前向き」と言われ、変わることができたことを実感した。中学時代、人間関係のチャレンジとして、自分をいじめる子の良いところを10個探して、その子や皆の幸せを願った。1ヶ月程で変わってきて、3ヶ月程で完全に悩みはなくなった。それ以来、友人関係で悩むことはほとんどなくなり、「ことば」にはやはり力があると実感した。1年で10年分ほど成長させてくれたその子や当時の環境に感謝している。
 勉強漬けの高校時代を経て、京都の大学に進学した。「競争」の世界から抜け出し、自由で平和で穏やかな環境のなか、反省を通して、「自分から行動して学ぶ」「胸を張れる自分でいればいい」と、自分の心の声に素直になる選択をした。そのような中、大学3年の時、友人が亡くなった。うつ状態になり、精神的にも不安定になり、死にたいと思うこともあったが、ずっと無条件の愛で信じてくれていた恩師の言葉に救われた。生死を考えて、「誰かの心の奥に光のともるような作品を作りたい」という本当に自分のやりたいことが残った。「一度死んだと思えば何でもできる」と思い、さまざまなことに挑戦した。このとこが、「藍染め書」の制作につながっている。こどもが希望を持てる国になってほしい。絶望するから死んでしまう。希望があれば生きていける。大人が楽しそうに生きる世の中になってほしい。今は、やりたいことを我慢している大人も多い、そういった印象がある。
 社会人になり、迷った末に、再び自分の希望より人の言葉を優先し、事務職に就いたが、体調をくずして退職。自分のやりたいこと、できること、人も喜ぶこと、社会も喜ぶことを考えたとき、その4つの中心にあったのが「書道」だった。愛を伝える場、教えることで自分を磨く場として、やることを決心した。
 表に出るのが苦手であったが、「こんなに書けるなら発信してみなよ!」という声からSNS(インスタグラム)を始めた。投稿を毎日、1年間続けた結果、フォロワーが1万人となり、各種依頼が来るようになった。「教わりたいが遠くて通えない」という連絡が県外から多くなり、「ことのは通信講座」を始めた。経験を通して実感した、前向きになれる言葉をお手本として書き下ろし、書くことで字も心も美しくなることを目標としている。現在、全国40以上の都道府県と、海外数か国から受講生をもつ講座となっている。
 本気で取り組めば、何でもできる。SNSの無限の可能性がそれを助けてくれた。インスタグラマーさんの言葉、「本気だから届く」。「ことば」には力があり、「想うことは祈ること」。人を幸せにする作品を、これからも精進しながら、楽しみながら作っていく。「ことば」を通して、「作品」を通して、人の心に光のともるものを届けたい。そうすることで、世界がもっと明るく素敵な場所になればと願っている。今後の目標は、外国での展示、企業・イベント等での書道パフォーマンス、物語の絵本化など。今できることを、心を込めて誠実にやり遂げたい。