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産学官民交流事業

2022.10.07 第226回東三河午さん交流会

1.日 時

2022年10月7日(金)11:30~13:00

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 4階 ザ・テラスルーム

3.講 師

たはら暮らし定住・移住サポーター 小川 史 氏

  テーマ

『田原市とサーフィンと私 ~サーフィンが日常になるたはら暮らし~』

4.参加者

35名

講演要旨

1.田原市への移住の経緯
 私は大阪出身で、昭和53年生まれの44歳。田原市へ移住して14年、職業はカフェ経営者、ハラペーニョ農家である。大阪の市場で仲卸をしていたが、過度の疲労から腰椎疲労骨折し寝たきりになったが、必死のリハビリの結果、回復。「自分自身を見つめ直したい」と退職し、海外を一人旅することにした。ハワイでサーフィンに出会って大好きになり、人生観も大きく変化した。サーフィンを目的に20か国以上を旅し、その経験からサーフィンを軸にした移住を検討し始めた。帰国後、サーフィン移住を考える中で訪れた田原市の自然豊かな環境やゆったりした空気感に惚れ、移住を決断した。
2.田原市への移住後の暮らし
 移住後の生活は、日中はサーフィン、夜は牧場の仕事をし、この経験から「食」に対する意識が高まり、現在の職業である「カフェ経営者」と「農業」に繋がった。
 オーストラリアで飲んだエスプレッソコーヒーの味が忘れられず、「好きなものをつくる」という考えから田原市で本格的なエスプレッソのお店を屋台からスタートした。2012年に念願のお店を持ち、2021年に築70年の元・保育園をリノベーションした現在の店舗へ移転した。お店の壁のイラストは全て娘の手書き作品で、気持ちよく仕事が出来ている。カフェは、エスプレッソコーヒーと“海をキレイにしたい農法”で自家栽培した野菜などを使った料理が自慢である。名物のマフィンは、妻が愛情をたっぷり込めて焼いていており、サツマイモを使ったオリジナル商品で価格の底上げを図っている。
 メキシコにサーフィン旅行した時に「ハラペーニョ」のあとからくる「程よい辛さ」に惚れて大好きになり、帰国当時日本には無かったので、自分で育てることにした。「ハラペーニョ」を加工した調味料を開発してお店の料理に使用するとともに、コロナ以前は海外へも輸出していた。
 田原市に移住して田原市が大好きになり、だからこそ「田原市をもっと良いまちにしたい」と思い、“より良い未来を創るための取組”を行政等と連携しながら行っている。
 私は「田原市消防特別水難救助隊」の活動に参加している。田原市はサーフィンのメッカである。水上バイクの普及活動・導入に力を入れた結果、太平洋岸での迅速で効果的な救助のため消防職員と消防団員が協力して水上バイクを運転し救助を行う特別水難救助隊が令和元年7月に組織された。これまでに4名の救助を行い、海辺の事故は徐々に減ってきている。
 「赤羽根まちづくり隊」は、より良い地域を目指すボランティアチームである。最も身近な取り組みは「草刈り」。サーファーを入れた「地引網」も復活させた。毎月第4日曜に開催している「赤羽根昼市」では、「移住・結婚・仕事の相談所」を開設。“地元の良いものを地元に”をモットーとした移動販売、子ども達が思いっきり遊べるアウトドアショップも来月オープンさせる予定である。また、畑の生き物と仲良くなろう&農業体験、学芸員による生き物教室、移住者のアーティストを赤羽根こども園の美術の先生に推薦しマッチングを図るなど、子ども達のより良い未来のための様々な企画を実施している。
 「たはら暮らし定住・移住サポーター」に具体的なサポート内容は、住まい探し、仕事探し、地域に溶け込むための各種サポートであり、令和3年度までに23名/11世帯の移住をサポートしている。田原市は農業出荷額が多く、大手自動車メーカーの工場もあり、自然も豊かで、様々な面でポテンシャルが高く、僕ではなくても移住・定住は増えていくと思う。
3.最後に
 最後に、「私は日本人」と答えると海外の人から必ず好かれる。インドネシアにいた時、「日本のおかげでインドネシアがある。第二次世界大戦後、日本人が独立を勧めてくれた。」と言われた。フィリピンのアスファルトは白と黒の部分に分かれているが、「日本のアスファルトはすごくきれいで、橋も残っている」と言われた。最近戦争が起こっているが、起こらないようにするためには何が必要か。自分ができることは、子ども達にサーフィンを教えることや、アートを活用して創造性を高める取り組みを行うこと。子ども達が論理的に判断できるようになれば、戦争もなくなるのではないか。今後の夢は、世界平和。
 海は、悲しいことしかない。ある時学校の先生から「水難事故の事案を教えて欲しい。」と言われ、事故が起きないようにマニュアル化し、先生を対象とした無料のサーフィンスクールを始め、真剣に話を聞いてもらった。こういう活かし方をしていけば、田原の海をさらに活用できる。
 こんな感じで、試行錯誤しながらいろいろな取り組みを行っている。