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産学官民交流事業

2021.04.13 第438回東三河産学官交流サロン

1.開催日時

2021年4月13日(火) 18時00分~20時30分

2.開催場所

ホテルアークリッシュ豊橋 5F ザ・グレイス

3.講師①

豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系 准教授 松尾 幸二郎 氏

 ◎テーマ

『地域に根ざした交通マネジメントの研究』

  講師②

湖西市長 影山 剛士 氏

 ◎テーマ

『持続可能な発展のための「三遠南信・東三河地域と湖西市の広域」』

4.参加者

78 名(※オンライン参加者10名)

講演要旨

 私は豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系で、交通工学、交通計画、交通マネジメントを研究している。地域と非常に関係が深く、研究してきたことをお話したい。
 主な研究テーマは「地域交通マネジメント」である。身近なところに疑問があるということで地域に着目した。交通現象・交通行動を科学的に捉え、人々の安全・安心・便利・快適な移動を支える地域交通システムのあり方と、その実現方法を追求するための研究に取り組んでいる。最近は、多様なデータを活用した地域交通安全・公共交通マネジメントの研究が中心である。
 2013年6月から「豊橋市通学路安全対策アドバイザー」に就任し、「豊橋市通学路交通安全プログラム(2014年12月)」の策定に関わったことがきっかけとなった。2012年度までの通学路安全プログラムは「学校側提案型」であったが、2016年度からは「関係主体合同検討型」を取り入れることになった。対策の要望はおよそ800ヵ所あり、半分以上が対策実施困難と判断されるため、その中から数ヵ所を選定し、対策実施主体、学校教育課、関係の学校、その他必要に応じた関係主体が合同現場点検を行い、代替対策を検討するプログラムに変更した。また、豊橋市での指定通学路地図のデジタル化(通学路GIS)の取り組みにより、時間帯別・移動目的別の人身事故件数を調査したところ、小中学生ともに、登下校時以外での事故が大半であり、特に15時から18時に多いことが分かった。また、人身事故発生地点と通学路との空間関係を調査したところ、小中学生ともに、登下校中の事故が少ないにも関わらず、通学路上やその周辺での事故が多いことが分かった。これにより、通学路を中心に安全性を高めていくことが重要であることが結論づけられた。
 「知の拠点あいち重点研究プロジェクト(第Ⅲ期)」において、先進プローブデータ活用型交通安全管理システムの開発に携わった。地域で取得したデータは地域のために活かすという「データ地産地消エコシステム」、並びに後付け型の衝突防止警報補助装置+通信機器により、先進プローブデータを収集するための統合デバイスを構築した。
 2018年4月に、豊橋市・ジャパン21・豊橋技術科学大学の3者協定により、先進プローブデータをもとに豊橋技術科学大学が分析して潜在的な危険個所を抽出し、産学官民で構成する組織において予防型交通安全対策を検討・実施することになった。先進プローブデータは、事業者の普通乗用車両38台(42ヶ月分)、豊橋市公用車50台(14ヶ月分)、春日井市公用車30台(4か月分)で収集を行い、道路安全管理用の分析・可視化WEBアプリケーション、SPF統計モデルにより歩行者事故危険地点を推定し、豊橋市小池町小池神社付近交差点では道路側対策として横断歩道移設と歩行者用信号機(押しボタン式)を設置した。対策後の統計的効果評価では、PCW発生率および30㎞/h超PCW発生率は減少し、歩行者事故危険性は80%程度減少したと推定される結果を得た。
 地域とデータは、「治」(データを管理する)、「親」(データに親しむ)。「利」(データを利用する)の連携であり、DXによって達成された市内電車のアプリ「のってみりん」は公共交通マネジメントへの活用が図られている。自分の地域のデータを使って、自分の地域を知る。子ども達が身近な地域のデータに親しめる、そんな地域にしていきたい。

講演要旨

 静岡県湖西市は、「愛知県湖西市」と言われるほど愛知県と関わりが深い。人口は6万人、外国人比率は6%、昼夜間人口差が約7千~1万人であることから、湖西市で稼ぎ、浜松・豊橋などの周辺自治体で消費・納税という実態が「課題」となっている。
 製造品出荷額等は、1兆7,327億円で県内3位(宮崎県とほぼ同額)、1事業所あたりの出荷額は88億8,500万円で県内1位となっている。人口、製造品出荷額等を見ると、愛知県田原市と同じくらいの規模の自治体であると言える。
 生産(GRP)は6,859億円(全国19位)と高いレベルにあるものの、市外からの通勤者による流出が▲1,287億円、市外での買物等による流出が▲1,219億円であり、市内での支出は2,738億円にとどまっている。地域の稼ぐ力は強いが産業が特化しており、市外への所得流出が大きい構造である。
 まちの特徴としては、「世界に誇る工業のまち」であり、郷土の偉人としてトヨタグループの創始者「豊田佐吉」の存在がある。「湖西少年少女クラブ」を1976年8月に設立し、企業と連携しながら、ものづくりの楽しさを子供たちに伝える取り組みを行っている。
 湖西市自慢としては、養豚業(28,103頭)、こでまり(2億370万円、全国シェア80%)、ハイブリッドカー用バッテリー(全世界シェア300万台以上)に加え、平成30年8月から「ふるさと大使」を創設し、湖西市の「魅力」「知名度」の向上に努めている。
 新型コロナウイルス感染症については、感染予防と経済を回すことの両立に力を注いでいる。独自の支援策として、資金を借り受ける中小企業者の利子の実質負担をゼロにする「湖西市経済変動対策貸付金利子補給金」、個人・世帯向けとして市内飲食店等で利用可能な割引クーポンをLINEで発行する「湖西市LINEテイクアウト応援クーポン」などを実施し、経済のV字回復をサポートしている。
 令和3年度の一般会計当初予算は200億円程で前年比10億円程の減少となっている。予算キーワードは、「職住近接」『働くまち』から『働いて暮らすまち』へ。持続可能な発展を目指し、人口減少対策として、昼夜間人口差の解消及び移住・定住の促進を重点的に行うこととし、■デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、■モノづくり人材の育成と産業の発展、■空き店舗などを活用した創業の支援、などの新たな取組を開始している。
 「職住近接」に向けての4つの重点事業は、①子育て・教育の充実(こども医療費の無料化、法育の受け皿の充実など)、②産業振興(浜名湖西岸土地区画整理事業~トヨタ自動車本体が一括買上げし、プライムアースevエナジーが利用~、浜松三ケ日・豊橋道路(仮称)整備、養豚業における臭気対策など)、③観光・シティプロモーション(「こせい」×「こさい」に係る連携など)、④安心安全・医療福祉(次世代運航サービスによる支援~予約配車アプリの導入、企業シャトルバスとの連携など)である。
 湖西市の持続的発展に向けた新たな取組として、市民の暮らしを支え、利便性を向上させるためのDXによるデジタル・スマートシティの実現、豊橋市との水道料金収納業務等の共同化(シェアードサービス)がある。2040年に向けて人口減少が見込まれるが、地域経済は繋がっており、地域と連携していくことは益々重要となってくる。今後も、湖西市のために、「全力投球」を続ける。