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産学官民交流事業

2026.7.21 第501回東三河産学官交流サロン

 

1.日 時

2026年7月21日(火)18時00分~20時30分

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 5F ザ・グレイス

3.講師①

愛知大学 国際コミュニケーション学部 准教授 樋口 恵氏

  テーマ

『ドイツ文学から考える「幸せ」とウェルビーイング』

  講師②

愛知県アジア・アジアパラ競技大会推進局企画調整課 課長 中西 真希氏

  テーマ

『第20回アジア競技大会・第5回アジアパラ競技大会について』

4.参加者

55名(オンライン参加4名含む)

講演要旨①
 本日は「ドイツ文学から考える『幸せ』とウェルビーイング」というテーマで話をする。私は三重県の尾鷲市出身で、大学生の時に名古屋に出てきて以来、ドイツに留学していた時期を除いて名古屋に住んでいる。専門はドイツ文学であるが、大学では主にドイツ語の授業を担当している。専門の研究としては、大学院の修士課程の頃からエリアス・カネッティという人物の研究をずっと続けている。彼はブルガリア生まれのユダヤ系ドイツ語作家で、主著『群集と権力』などで知られる人物である。
 次に、ウェルビーイングの概要から話をする。「ウェルビーイング(Well-being)」という言葉が初めて登場したのは、1946年に設立されたWHO(世界保健機関)の憲章の中で、「健康の定義」として示されたのが始まりであった 。ここでは、単に狭い意味での心身の病気がない状態というだけでなく、心の豊かな状態である「幸福」と、社会の良好な状態を作る「福祉」を合わせた、「心と体と社会のよい状態」と規定されている。つまり、健康・幸せ・福祉のすべてを包括する概念である。一瞬の感情的な喜びを表す「ハピネス(Happiness)」に対して、ウェルビーイングはより長期的で持続的な良い状態を指している。ウェルビーイングには大きく分けて二つある。一つは、健康状態、所得、教育水準、GDP、平均寿命、失業率など、外部から客観的に観察・測定できるデータに基づく「客観的ウェルビーイング」である。もう一つは、個人が主観的にどれくらい幸せを実感しているかという「主観的ウェルビーイング」であり、近年、この研究が非常に盛んに行われている。その一例として、「愛知県東三河地域県民の意識調査」を紹介する。今年(2026年)3月に発表されたデータによると、県民の幸福感の平均点は10点満点中6.8点となっている。愛知県全体の意識調査でも同様の6.8点であったので、東三河地域は愛知県全体と同じ水準と言える。また、幸福感を判断する際に重視する項目としては、「健康状況」と答えた人が最も多かった。では、なぜ今これほどウェルビーイングが注目されているだろうか。SDGsの目標3において「すべての人に健康と福祉を」において概念が掲げられているため、価値観の変化としてGDP(経済的豊かさ)と幸福感が比例しないという研究結果が出始め、「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へとシフトしている。健康・寿命との関連では、幸せな人は寿命が長く、免疫力も高まることが分かっているため、ビジネスへの影響としても幸せな人は創造性や生産性が高いとされる。
 ドイツ文学・思想における「幸せ」の考察として、ここからが本題であり私の専門分野となるが、ドイツ語圏の作家や思想家たちが「幸せ」をどう捉えていたのかを見ていく。最初に紹介するのは、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749–1832)である 。ドイツを代表する詩人・劇作家・小説家であり、色彩論や形態学、地質学など自然科学にも造詣が深い人物であり、さらにヴァイマル公国という小国で宰相に次ぐ地位を務めた政治家でもあった。25歳の時に発表した『若きヴェルテルの悩み』がヨーロッパ中で大ヒットし、一躍有名作家となった。
 ゲーテにとっての幸せの要素として、まず挙げられるのが「愛すること」である。小説『親和力』の中に「ひとりの人間を本当に心の底から愛しさえすれば、他のすべての人まで愛しく思えてくるものだ」という言葉がある。人を好きになると世界全体に対して優しくなれるという、恋するものの幸せが表現されている。また、私の大好きな『銀杏の葉(Ginkgo Biloba)』という詩がある。「東の国からはるばると、わたしの庭にうつされたこの銀杏の葉には心あるひとをよろこばすひそかな意味がかくれています。もともとこれは一枚の葉が二つに分かれたものでしょうか。それとも二枚がむすばれ合ってひとつに見えるものなのでしょうか。この問いに答えようとしてわたしにはほんとうの意味がわかりました。わたしの詩を読むたびにお感じになりませんか。わたしはひとりでもあなたとふたりでいるのだと」二つに分かれているようにも、二つが一つになっているようにも見える銀杏の葉を通して、愛する人との一体感と喜びを歌った詩である。一方で、出世作『若きヴェルテルの悩み』は、人妻(シャルロッテ)への叶わぬ恋に絶望して自殺してしまう青年の物語である。ゲーテは「生涯に一度、ヴェルテルが自分のために書かれたように思える時期がなかったとしたら不幸だ」と述べており、それほど愛することは人生の重要な幸福だと考えていた。現代のウェルビーイング研究でも「愛すること」の効果が検証されており、未婚者よりも配偶者がいる人の方が幸福感が高いというデータがある。ただし、結婚して3年ほど経つと恋愛初期の脳内物質(エンドルフィン等)の分泌が低下し、幸福度は結婚前の水準に戻ってしまうそうである。また、愛することは幸福をもたらす反面、大きな苦しみ(不幸)の原因にもなる。『若きヴェルテルの悩み』はゲーテ自身の失恋体験に基づいた作品で、彼自身も一時は自殺を考えるほど悩んだ。ゲーテは「私は生きた、愛した、そして大いに悩んだ」「人間を幸福にするものが、同時に不幸の原因である」という言葉を残している。
 この絶望からゲーテを立ち直らせたのが、詩人としての仕事であった。「現実を詩に変えることで重荷を下ろし、生きることに決めた」と語り、失恋の苦しみを作品へと昇華させた。  ポジティブ心理学の創始者マーティン・セリグマンの「PERMA(パーマ)モデル」では、幸福には「1. ポジティブ感情」「2. 没頭」「3. 人との関係」「4. 生きる意味」「5. 達成」の5要素が必要だとされる。ゲーテは失恋によって「3. 人との関係」を欠いてしまったが、作品を執筆・創作することに没頭し、生きる意味を見出すことで心を回復させたのだと言える。  また、現代のウェルビーイング研究では「孤独は幸福度を下げるリスク要因」とされるが、ゲーテは孤独を非常に重視していた。「何か意味あることは孤独の中でしか作られない」「私の作品は孤独の産物である」と述べ、創造的な仕事は豊かな孤独からしか生まれないと考えていた。
 ゲーテの二つ目の幸せの条件は「努力すること」である。大作『ファウスト』では、悪魔メフィストフェレスと契約したファウスト博士があらゆる快楽や欲望を追求するが、最終的に魂は救済される。作中には「人は努力する限り迷うものだ」「常に努力する者を我らは救うことができる」という言葉がある。現状に満足せず常により高みを目指して挑み続ける姿こそが人間救済の条件であり、ヨーロッパに根付く「努力を無条件で善とする精神」が描かれた人間救済の構図である。日本のウェルビーイング研究者である前野隆司教授は、幸せの4つの因子として「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」を挙げているが、ゲーテの説く「努力」はまさにこの主体性や成長意欲を表す「やってみよう」の因子に該当すると言える。
 次に紹介するのは、哲学者アルトゥール・ショーペンハウアー(1788–1860)ある。彼は「生の哲学」の思想家で、ニーチェにも大きな影響を与えた。ベルリン大学で講義を持った際、大御所ヘーゲルと同じ時間帯に講義を設定したところ、ヘーゲルの教室には200人集まったのに自分の教室には8人しか来ず、拗ねて大学を辞めてしまったという逸話もある。その後は孤独の中で執筆活動に専念した。ゲーテとも交流があり、ゲーテは若きショーペンハウアーの才能を高く評価していた。主著としては、『意志と表象としての世界』『余録と補遺』がある。ショーペンハウアーの根底には「盲目的な意思」という概念がある。人間は内面にある無目的で不合理な衝動(意思)に突き動かされているため、満たされることのない欲望を追い続け、生きること自体が苦痛になりがちだと説いた。そのうえで、彼は人間の幸福を決める「三つの財宝」を提示した。最初は、「その人は何者であるか(人柄、個性、健康、知性、徳性)」。次は、「その人は何を持っているか(財産、所有物)」。最後は、「その人はどのように評価されているか(地位、名声、他者からの評判)」である。世間の人々は、財産や地位といった評価を重視しがちであるが、それは他者の頭の中にある幻想に過ぎない。したがって、最初の財宝である「その人自身の内面や健康」が圧倒的に重要なのだと主張した。ここで言う健康とは単なる身体的健全さだけでなく、高貴な性格や明るい心性といった「精神の健全さ」も含んでいる。また、人間の幸福における2大敵手を「困窮(貧しさ)」と「退屈」と定義した。庶民は困窮に悩むが、裕福な上流階級は退屈に悩まされる。退屈の根本原因は内面の空虚さにあり、退屈な人ほど外的な娯楽や社交を刺激として求めるが満たされない。これに対し、精神的な富(知性や教養)が豊かな人は退屈を感じる隙がなく、孤独の中でも充足した時間を過ごせると説いた。ショーペンハウアーもゲーテ同様、「孤独は卓越した知者の宿命である」として孤独を高く評価している。現代のウェルビーイング研究では「孤独=悪(幸福度を下げる)」とされがちであるが、果たして本当にそうなのだろうか。たとえ孤独であっても、仕事への充実感や精神的な没頭があれば十分に幸福でいられるのではないかとも考えさせられる。
 次に、「幸せ」とは個人の内面や心構えで得るものではなく、社会の構造によって規定されるものであると考えた、ブレヒトの作品を紹介する。20世紀の劇作家ベルトルト・ブレヒト(1898–1956)の視点は対極に位置する。ブレヒトは、「幸福とは個人の内面ではなく、社会の構造によって規定されるものだ」と考えた。『肝っ玉おっ母とその子供たち』は、30年戦争を舞台に、子供たちを養うために戦争ビジネス(軍隊相手の商売)で逞しく生きる母親を描くが、結局は戦争というシステムによって大切な子供たちを1人ずつ失っていく。第二次世界大戦の勃発直前に書かれ、戦争はそもそも何なのかを問う作品である。次の『セツアンの善人』は、貧しい娼婦シェン・テが神様からお金をもらってタバコ店を開き、善人として生きようとするが、周囲の人々に寄生され、店が潰れそうになると、彼女は冷酷な従兄「シュイ・タ」という架空の男性の人格を作り出し、変装して冷徹に店を再建せざるを得なくなる。ここでは、「搾取や格差がある社会では誰も本当の善人や幸福にはなれない」という鋭い資本主義批判がされている。『ガリレイの生涯』は、地動説を撤回したガリレオの生涯を描いた作品で、ブレヒトは時期を変えて3つのバージョンを書いている。特に1945年夏に広島・長崎へ原爆が投下されたニュースを聞いた後のアメリカ版や最終ベルリン版では、「科学者の社会的責任」というテーマへと大きく舵を切った。純粋な研究であっても、政治や軍事に利用されて都市が一瞬で破壊されてしまう時代において、科学者や個人の無責任さを問いかけた。ブレヒトにとって「幸福」とは個人の内面や心構えで得るものではなく、社会の構造によって規定されるものであり、個人を幸福にするためにはまず社会の不条理な仕組みを変革しなければならないと考えた。これは個人の人生論を超えた、政治的・社会的な視点による幸福追求であり、「客観的ウェルビーイング」の基盤を問うものであった。
 本日は、ドイツ文学・思想における3つの「幸せ」のあり方を紹介した。昔の古典や文学作品を開き、先人たちの思考に耳を傾ける時間は、私たち自身の生き方や幸福を見つめ直すとても豊かで心地よい時間(ウェルビーイング)になるはずである。本日の講演が、皆さまの日々の幸福や生き方について考える小さなきっかけとなればと思っている。

講演要旨②
 アジア大会は、アジア・オリンピック評議会(OCA)が主催し4年に1度開催されるアジア最大の総合スポーツの祭典であり、オリンピックのアジア版とも呼ばれている。戦禍で分断されたアジア諸国が、スポーツを通じて友情を育み、多様性を認め合い、国際平和に寄与することを目的に開催されている。第1回は1951年にインド・ニューデリーで開催され、日本を含む11カ国が参加した。
 競技内容については、オリンピックでおなじみの陸上競技や水泳などの種目に加え、中央アジアのウズベキスタン発祥の国技で伝統的な格闘技であるクラッシュ、インド発祥の伝統的なスポーツで、鬼ごっこと格闘技が融合したような競技であるカバディ、ネットを挟んで足や頭を使ってボールを相手コートに蹴り入れて得点を争うセパタクロー、中国伝統の武術を競技化した武術太極拳、日本の古武道を起源とし、ブラジリアン柔術として世界的に広まった格闘技である柔術という、アジア地域特有の文化や伝統に根ざした競技も実施されるのが大きな特徴である。
 次にアジアパラ競技大会は、アジアパラリンピック委員会(APC)が主催し、アジア競技大会と同様に4年に1度開催されるアジアにおけるパラスポーツの最高峰の大会である。アジアにおける障がい者スポーツの普及・発展を目指すとともに、スポーツを通じて社会のバリアフリー化を推進し、多様性とインクルーシブな社会の実現に寄与することを目的としている。パラリンピックで行われる主要な競技を中心に実施され、国際的な障がい者スポーツのルールに基づき、障がいの種類や程度に応じた公平なクラス分けがされている。第1回は2010年に中国の広州において開催されて41カ国が参加し、アジア競技大会の開催地において、その直後に開催される仕組みが定着した。参加国・地域については、アジア45の国と地域が参加する。この45の国と地域というのは、先ほど申し上げたアジア競技大会についてはOCAに加盟する全45の国と地域、またアジアパラ競技大会についてはAPCに加盟する45の国と地域ということで、どちらも同じ45の国と地域となっている。
 組織委員会の法人名は「公益財団法人愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会」であり、両大会の準備・運営を行い、大会を成功させることを目的として設立された。今年4月に、栄オフィスから有松オフィスに移り、県や市からも職員が派遣されて7月から人員を大幅に増員し、職員数は約2,500名となっている。9月には、大会本番時の現場運営要員をさらに増員し、組織委員会全体で約4,000名体制に増強される予定である。
 続いて大会の概要であるが、第20回アジア競技大会は、会期が9月19日から10月4日まで、主催はOCAで、メイン会場は名古屋市瑞穂公園陸上競技場になる。選手団の人数は、最大1万5,000人が来日し、実施競技は全部で43競技あり、東三河地域では豊橋市の市民球場で野球、総合体育館で空手、新城市内の特設会場で自転車競技のロードレース、蒲郡市内の特設コースでトライアスロン、海陽ヨットハーバーでセーリング、田原市の太平洋ロングビーチでサーフィンの大会が実施される。「IMAGINE ONE ASIA(ここで、ひとつに。)」をスローガンとしていて、大会のマスコットは炎をイメージした赤をアクセントとした「ホノホン」である。
 続いて開催される第5回アジアパラ競技大会は、アジア大会が終わった後の10月18日から10月24日まで開催され、メイン会場は同じく名古屋市瑞穂公園陸上競技場で、選手団の人数は最大3,600人から4,000人である。競技数は18競技となっており、東三河地域では豊橋市の総合体育館でゴールボールが実施される。こちらは、「IMAGINE ONE HEART(こころを、ひとつに。)」をスローガンにしていて、大会のマスコットは水をイメージした青いキャラクターの「ウズミン」である。
 選手団の宿泊施設について、今回のアジア競技大会・アジアパラ競技大会では、選手村を作らず、経費を削減しながら、大会後も活用できるよう検討した。選手団の宿泊施設については、ガーデンふ頭に移動式宿泊施設を宿泊拠点として設置するとともに、クルーズ船を金城ふ頭に停泊させ、ホテルシップとして活用し、さらに不足分は既存ホテル等を活用する計画となっている。移動式宿泊施設では、ガーデンふ頭と一帯をセキュリティフェンスで囲い、選手の安全確保を行う。この移動式宿泊施設には約2,000人が宿泊予定であり、選手団本部や選手団向けの大会サービスセンター、トランスポートモール、ダイニングホール、フィットネスジム等の様々な機能を設けている。移動式宿泊施設の特徴として、施設内には当然ベッドやトイレ、シャワー等の設備を備えており、断熱性、気密性、遮音性等に優れた構造となっている。ホテルシップは、全長290m、総トン数約11万4,000トンという非常に大きな客船であるイタリアの「コスタ・セレーナ号」を利用し、最大で4,000人を収容することが可能である。停泊場所は名古屋港の金城ふ頭であり、停泊期間は9月15日から10月6日までの22日間となっている。
 各競技会場については、現在大会の実施に向けて仮設工事を実施している。準備に合わせて施設の利用規制が行われており、メイン会場の名古屋市瑞穂公園陸上競技場についても6月から12月までは利用規制を行っている。大会ボランティアについては、競技会場、放送関係者施設等の大会関連施設や​主要駅、競技会場の最寄り駅周辺のラストマイル等において活動を予定している。4万人を超える方に応募をいただき、2026年3月から5月にかけては学生ボランティアの追加募集も実施した。8月末からは会場別に研修を実施する予定となっている。また、大会への機運を高めるための100日前イベントなどを実施するとともに、様々なイベントにブースの出展も行っている。他に、県内外主要駅等でのデジタルサイネージ広告や、名古屋市営バス、名鉄バスによるバスラッピング広告、WEB・SNS、新聞、テレビCMの開始など集中的にPRを実施している。また、2024年11月に「MOVE ON 2026」ロゴマークを名古屋市と共同で制作し、地元企業や競技団体、商店街等による大会の機運醸成や地域の活性化につながる取組を応援しており、ロゴマークの使用実績は、今年6月末時点で187件となっている。
  パートナーシッププログラムとして、大会の準備・運営に必要な資金や物品・サービスの提供等に協力いただけるパートナー企業を募集しており、7月14日時点において、アジア競技大会は56社とのパートナーシップ契約、5社との覚書、アジアパラ競技大会は47社とのパートナーシップ契約、4社との覚書を締結している。
 アジア競技大会は、愛知国際アリーナにて男子バスケットボールが9月10日からスタートする。9月19日に名古屋市瑞穂公園陸上競技場で開会式があり、その翌日の20日には、蒲郡市で開催される男子トライアスロンで、今大会初のメダリストが誕生する予定である。その後20日~23日のシルバーウィーク期間から、バレーボールや水泳など100を超える種目でメダルマッチが行われ、10月4日が閉会式となる。アジアパラ大会は、開会式は10月18日に名古屋市瑞穂公園陸上競技場で行われるが、その2日前の10月16日にパラバドミントンからスタートし、開会式翌日の10月19日には、パラパワーリフティングで大会初のメダリストが誕生する予定である。その後各競技が順次実施され、閉会式当日の10月24日にはボッチャがレインボーホールで行われる予定となっている。
 聖火リレーについて、アジア競技大会については8月18日から、東京、広島で採火し、8月22日に名古屋城で採火式を実施し、3つの火をまとめて聖火にし、約2ヶ月かけて県内40市町村・14学校において聖火リレーを実施する。アジアパラ競技大会については、 10月6日から、31市町村で採火式を実施し、うち6市町においては聖火リレーを行い、10月17日に、名古屋市内において、31市町村の火を まとめる集火式と聖火リレーを実施する。東三河地域では、8月29日の朝9時に豊橋市からスタートし、田原市、新城市、豊川市という順番で聖火リレーが行われる予定となっている。アジアパラ競技大会の採火式については、10月10日に蒲郡市と豊橋市で行われる予定となっている。
 開閉会式についてであるが、アジア競技大会の開会式は9月19日、閉会式は2026年10月4日となっており、会場は名古屋市瑞穂公園陸上競技場である。総監督には、テレビドラマの『TRICK』シリーズや『SPEC』シリーズを手がけている堤幸彦監督に就任いただいている。アジアパラ競技大会の方は、開会式が10月18日、閉会式が10月24日で同じく名古屋市瑞穂公園陸上競技場で開催する。総合プロデューサーはアーティスト・アートプロデューサーの栗栖良依さん、そして演出統括にはダンサーで振付家・演出家の森山開次さんに就任いただいている。
 7月10日時点で、日本オリンピック委員会において、アジア競技大会の13競技に出場する229名の選手が認定された。このうち、卓球ではトヨタ自動車所属の張本智和選手、東海市出身の篠塚大登選手、バドミントンではジェイテクト所属の西本拳太選手など、愛知ゆかりの選手も数多く選ばれている。他に文化プログラムとして、アジアや日本、愛知・名古屋の歴史文化等を発信していくための様々な文化プログラムといった取組も、開催都市や組織委員会において行っている。
 アジア競技大会の開催期間中、久屋大通公園を中心に、メダリストをたたえ、アジアの多彩な文化に出会える特別な交流空間「ONE ASIA WORLD」が展開され、その中核イベントであるメダリストセレブレーションについては、9月21日から開催予定で、多くのメダリストに来場いただけるよう組織委員会が競技団体や各国国内オリンピック委員会と調整している。愛知県・名古屋市においても、この「ONE ASIA WORLD」と一体となって、パブリックビューイング等が楽しめるライブサイトを、オアシス21、その他県内4か所のサテライト会場での展開を予定しており、豊橋駅前の南口駅前広場は会場のひとつである。
 学校連携事業について、アジア・フレンドシップ推進事業では、大会を契機としたアジア各国・地域との交流を推進するため、アジアの料理をテーマにした学校給食等、県内の市町村や小中学校等が実施する取組に対して補助金を交付している。また、児童生徒が多様性や国際理解について学ぶことができる学習教材を、2025年4月に県と名古屋市が共同で制作している。教材は、小学生と中高生の対象別に、大会への興味・関心を促す内容と国際理解を深める内容の2種類の動画教材であり、インターネットで配信し、学校や家庭等様々な場面で活用していただいている。他に、パラアスリート学校訪問事業では、県内の小学校及び特別支援学校にパラアスリートが訪問し、競技の体験や子どもたちへの講話を実施しており、2026年度は20校実施予定で、既にアジアパラ競技大会会場所在自治体である豊橋市、岡崎市、一宮市、刈谷市、豊田市の14校で実施している。加えて、児童生徒招待事業として、大会に、県内の国公立・私立の小・中学校・高等学校・特別支援学校等に通学する児童・生徒を招待し、大会を直接観戦する機会を提供する。ファミリー招待事業では、それぞれ2,026組、最大16,208人の県内の親子等を無料招待する。
 最後に、チケット販売は6月30日から通常販売が開始されており、7月15日からはチケットぴあ等のプレイガイドやコンビニでも販売を開始した。人気競技のバレーボール、サッカー、バスケットボール等は一部入手困難なチケットも出てきているが、残っている競技もまだたくさんあり、人気競技も探していただくと買えるチャンスもあると思う。チケットの価格は1,000円ぐらいから数万円まであり、気軽に楽しみたい方は安い席で様々な競技を楽しむことが可能であり、選手を近くで見たい方は良い席を選んでいただければと思っている。関係者一同、アジア大会のみならず、アジアパラ大会も絶対に会場を満席にして選手の皆さんに最高のパフォーマンスを発揮していただきたいという想いで取り組んでいる。